最終更新日:2023年9月29日 |
キヤノン株式会社 |
代表取締役会長兼社長 CEO 御手洗冨士夫 |
問合せ先:コーポレートガバナンス推進室/03-3758-2111 |
証券コード:7751 |
https://global.canon/ja/ir/ |
当社のコーポレート・ガバナンスの状況は以下のとおりです。 |
Ⅰコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その他の基本情報
1.基本的な考え方
企業が健全なコーポレート・ガバナンス体制を確立し、継続的に企業価値を向上させていくためには、経営における透明性の向上と経営監視
機能の強化が不可欠であると考えております。また同時に、企業の永続的な発展のためには、役員、執行役員及び従業員一人ひとりの倫理観
と使命感も極めて重要であると認識しております。
当社のコーポレート・ガバナンス体制については、下記【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】【原則3-1 情報開示の充実】、
(ii)「コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方と基本方針」に記載のとおりです。
【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由】
【対象コード】
2021年6月の改訂後のコード(プライム市場向けの内容を含む)に基づき記載しております。
【補充原則4-11-1 取締役会全体としての多様性、知識・経験等のバランス】
【原則3-1.情報開示の充実】(ii)「コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方と基本方針」及び【原則3-1.情報開示の充実】(iv)「経営陣幹部の選解任及び取締役・監査役候補の指名に関する方針と手続」に記載のとおりです。
・現在のところ、当社の取締役には女性又は外国人は含まれておりませんが、性別、国籍、年齢等、個人の属性にかかわらず、その職務を公正且つ的確に遂行することができると認められる者をもって充てるのが当社の基本方針です。その上で、多様性を尊重し、1名の女性取締役の選任を予定しております。本件は 2024 年 3 月開催予定の第 123 期定時株主総会において、正式決定する予定です。なお、執行役員については、女性2名、外国人1名が含まれております。
・現在、当社の社外取締役には、自ら最高経営責任者等として企業経営を経験した者はおりませんが、取締役会は全体として幅広い企業経営の視点を保持しております。
当社は、共通のコアコンピタンス技術をベースとしつつ市場環境が大きく異なるプリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルという4つの事業を幅広く手掛けており、今後も、コアコンピタンス技術の進化・イノベーションによる企業価値の向上と持続的成長を目指していることから、これらの市場や技術について知見のある経営経験者が取締役会に参加することは有意義であると考えております。
・当社取締役会が全体として備えるべきと考えるスキル及び現在の各取締役が有するスキルについては、下記の当社ウェブサイトにて公表しております。当社は、変化する経営環境を踏まえ、適宜、取締役会全体として有すべきスキルを見直し、適切な取締役会の構成を模索してまいります。
https://global.canon/ja/csr/management/governance.html
【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】
【原則1-4 政策保有株式】
1. 政策保有に関する方針
当社の中長期的成長のためには、開発・生産・販売の各体制の不断の進化が不可欠であり、これらを全てキヤノングループ自らの経営資源で実
現することは困難です。当社は、これら体制の強化に有益と判断するときは、キヤノングループ外の企業との連携の一環として、当該企業の株式
を保有することがあります。
2. 政策保有の合理性の検証
当社は、個別の政策保有株式につきその保有の意義、投資先企業の業績、投資収益が当社資本コストを上回っているか否かなどを毎年定期的に評価したうえ取締役会に報告し、中長期的な保有の合理性を検証しており、合理性が認められない場合は処分いたします。現在保有する株式については、2023年2月開催の取締役会において、保有の合理性があるものと確認しました。
3. 政策保有株式の議決権行使に関する方針
当社は、投資先企業の経営方針、事業戦略等を尊重しつつ、株主全体の利益につながるか否かを基準として議案の賛否を判断のうえ、政策保有株式に係る議決権を行使いたします。
【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社と取締役との取引及び取締役の利益相反取引については、法令に従い、取締役会に当該取引の重要事実を開示して承認を受けるとともに、取引後、取締役会に報告いたします。
また、取締役会決議により選任される執行役員につきましても、取締役に準じます。
【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】
(i) 多様性の確保についての考え方、多様性確保の目標及び状況
1.多様性確保についての考え方
キヤノンは1988年に制定した共生の理念のもと、文化・習慣・言語・民族などの多様性を尊重するとともに、性別や年齢、障がいの有無などにかかわらず、公平な人材の登用や活用を積極的に推進しています。
当社では、ダイバーシティ推進のための全社横断組織「VIVID(Vital workforce and Value Innovation through Diversity)」で全社的な活動を推進しています。
VIVID活動方針
・ダイバーシティを重要な経営課題の一つとして位置付け、全社の推進役として新しい制度の導入や、既存の仕組みの置き換えにとどまることなく、社員の考え方や意識そのものを変える。
・向上意欲が高く、能力の高い人材が、活躍の機会を限定されたり、妨げられたりすることのないように、人事施策や職場環境を見直す。
・ロールモデルの輩出やモデル職場の拡大を促すために、ダイバーシティ推進の活動を社内外に広く伝え、浸透させる。
2. 女性の管理職への登用について(考え方、女性管理職登用に関する目標及び状況)
当社は、性別を問わず能力に即した平等な機会を提供するとともに、公平な処遇を徹底しています。
そのうえで、女性管理職候補者の育成を目的とした「女性リーダー研修」を実施しており、2022年までに累計244人が同研修を受講しています。また、育児休業から復職した社員とその上司を対象とした復職セミナー、女性管理職によるメンタリングの実施などにも取り組んでおり、女性管理職の人数は2011年※の58人から2022年には147人に増加しております。
当社は、2020年に女性活躍推進法に基づく行動計画として、2025年末までに「女性管理職比率を2011年※の3倍以上とする」ことを目標と定めました。
※VIVID発足前年
女性比率の推移(2011年と直近3年)
2011年 2020年 2021年 2022年
社員 3,790人(15.4%) 4,179人(16.5%) 4,162人(16.6%) 4,144人(16.8%)
管理職 58人(1.4%) 126人(3.0%) 138人(3.3%) 147人(3.6%)
役員※ 0人(0.0%) 2人(4.2%) 2人(4.0%) 2人(3.8%)
※取締役、監査役及び執行役員
3. 外国人の管理職への登用(考え方、外国人管理職登用に関する目標及び状況)
グローバルに事業を展開する当社にとって、国際的な視点は不可欠であり、そのために必要であれば、経営幹部や管理職に外国人を登用することも検討すべきことと考えております。そのため、当社は海外グループ会社間の人材交流の活性化、海外グループ会社の経営層、幹部社員への国籍を問わない適任者登用、海外グループ会社の経営層を対象にキヤノン式の経営哲学の共有を図る「グローバル経営幹部研修」の実施など、グローバルでの幹部候補育成に積極的に取り組んでおります。しかしながら、形式的に登用者数の増加を求めることは現時点では重要でないと考えており、当社における外国人管理職登用の具体的時期や数の目標は設けておりません。
現在のところ、当社の経営幹部・管理職への外国人の登用は少数に留まっておりますが、上記のような取り組みにより、近い将来そのような外国人の候補が増加するものと考えております。
4. 中途採用者の管理職への登用(考え方、中途採用者からの管理職登用に関する目標及び状況)
当社は、より多様な視点が求められ、かつ変化の激しい近年の経営環境の中で持続的に成長を遂げていくためには、内部人材だけに頼るのではなく、積極的に外部に人材を求めるのは必然のことと考えております。とくに、事業ポートフォリオの転換とこれに続く事業強化を進めていくには、内部人材の有効活用だけでなく、強化すべき事業領域に必要な人材の中途採用は不可欠です。今後は、さらに採用における中途比率を高めていくとともに、中途採用者の中から適任の者がいれば、内部人材との差を付けることなく管理職への登用も積極的に行っていきます。なお、2022年末時点における全従業員に占める中途採用者の割合は約20%(4,439人)、管理職に占める中途採用者の割合は約13%(583人)と、いずれも適切な水準であると認識しております。今後の中途採用者の管理職登用率は概ねかかる水準を維持していくことになるものと考えております。
中途採用者比率の推移(直近3年)
2020年 2021年 2022年
社員 4,734人(20%) 4,545人(19%) 4,439人(20%)
管理職 601人(13%) 590人(13%) 583人(13%)
役員※ 6人(13%) 6人(12%) 6人(12%)
※取締役、監査役(社外役員を除く)及び執行役員
(ii) 多様性確保に向けた人材育成方針、社内環境整備方針、その状況
前項(i)記載のほか、Ⅲ3.「ステークホルダーの立場の尊重に係る取組み状況」「その他」において記載のとおりです。
【原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮】
当社は、主な国内グループ会社と共同でキヤノン企業年金基金を設立しております。同基金は、理事長及び常務理事・運用執行理事を財務・会計に精通した者をもって充てることとしており、厚生労働省のガイドラインに基づき制定した「運用基本方針」のもと、中長期的な運用成果の追求の観点から最適と考える資産構成割合を策定し、これに見合う運用商品、委託先運用機関等を選定しています。資産構成割合の策定、運用機関等の選定にあたっては、理事長、常務理事・運用執行理事及び資産運用や年金制度に精通した経験者から成る「資産運用委員会」の慎重な審議を経ております。
また、四半期毎の「定例運用報告会」を通じ、各委託先運用機関のスチュワードシップ活動を含めた運用状況について、計画的なモニタリングを実施しており、これらにより、企業年金の受益者と当社との利益相反を回避する点にも配慮しつつ、従業員の安定的な資産形成や将来にわたって健全な年金基金の運用・管理が実現できる体制を構築しております。
なお、企業年金連合会等のセミナーへの参加等を通じて運用に関わる人材の専門性向上にも取り組んでいます。
【原則3-1 情報開示の充実】
(i) 会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
1. 企業理念
真のグローバル企業には、顧客、地域社会に対してはもちろん、国や地域、地球や自然に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を全うすることが求められます。当社は、グローバル優良企業であり続けるため、『共生』という企業理念の下、世界各国の人々に優れた製品とサービスを提供することなどを通じて社会の発展に貢献し、企業の社会的責任を全うしてまいります。
※当社の企業理念及びCSR活動方針は、下記の当社ウェブサイトにて公表されております。
https://global.canon/ja/corporate/philosophy/
https://global.canon/ja/csr/policy/index.html
2. 経営戦略・経営計画
社会的責任を全うするには、企業の競争力を強化するとともに健全な財務体質を維持しなければなりません。当社は、1996年以降、5年ごとに中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想」を策定し、競争力の強化と健全な財務体質の確立・維持を進めております。
2016年から2020年までの中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想 フェーズV」では、商業印刷、ネットワークカメラ、メディカル、産業機器の4つの分野を今後の当社の新たな事業の柱とすべく、事業ポートフォリオの転換に注力してまいりました。そして、これに続く「フェーズⅥ」(2021年~2025年)では、転換後の事業強化を一層加速するため、プリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルの4つの産業別グループへと組織を再編成し、更なるイノベーションの創出を目指します。
この当社の事業ポートフォリオは、企業の成長と発展を果たすことで世界の繁栄と人類の幸福に貢献するという当社の「共生」の理念に沿ったものであり、光学技術、映像処理・解析技術、ネットワーク技術といった、当社が長年培ってきたコアコンピタンス技術をベースとして技術的優位性を活かせること、「安心・安全」という社会課題の解決に貢献できること、社会や経済の環境変化をとらえ、事業の持続的成長が見込まれること、といった視点で選択されております。
当社では、CEOを議長とし、CFO、CTOや事業グループの責任者らが出席する経営戦略会議において、技術戦略を含む各事業グループの事業戦略、開発投資や設備投資などを定期的に議論し、事業ポートフォリオ内でのリソース配分を決定するとともに、必要に応じて事業ポートフォリオそのものの見直しを行うことができる仕組みをとっております。この経営戦略会議には、社外取締役や監査役も出席しておりますが、大きな戦略の変更を伴う場合には取締役会において改めて審議、決議することとなります。
※「グローバル優良企業グループ構想」は、下記の当社ウェブサイトにて公表されております。
https://global.canon/ja/corporate/strategies/
3. 資本政策
当社は、中長期的な成長に必要な投資を安定的且つ継続的に実施するため、株主資本の充実を重視しております。
また、中期的な利益見通しに加え、将来の投資計画やキャッシュ・フローなどを総合的に勘案し、安定的且つ積極的な配当による株主還元に取り組むとともに、適宜自己株式の取得を行います。
(ii) コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方と基本方針
当社は、プリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルなどの複数の事業領域において世界的に事業を展開しており、今後、新たな事業領域にも積極的に展開していきたいと考えております。各事業領域ごとに迅速な意思決定を行いつつ、キヤノングループ全体またはいくつかの事業領域にまたがる重要な意思決定を全社視点で行い、他方、意思決定及び執行の適正を確保するには、下記のコーポレート・ガバナンス体制が有効であると判断しております。
取締役会
CEO、COO、CFO、CTOといった全社的事業戦略または執行を統括する代表取締役と、複数の事業領域または本社機能を統括する代表取締役または業務執行取締役を中心としつつ、経営の健全性を担保するため、2名以上且つ3分の1以上の独立社外取締役を加えた体制としております。取締役会は、法令に従い、重要な意思決定と執行状況の監督を行います。
それ以外の意思決定と執行については、CEO以下の代表取締役がこれを行うほか、代表取締役の指揮・監督の下、取締役会決議により選任される執行役員が各事業領域または機能の責任者としてそれぞれ意思決定と執行を担います。
監査役会
取締役会から独立した独任制の執行監査機関として、当社の事業または経営体制に精通した常勤監査役と、法律、財務・会計、内部統制などの専門分野に精通した独立社外監査役を置くこととしております。これら監査役から構成される監査役会は、当社の会計監査人及び内部監査部門と連携して職務の執行状況や会社財産の状況などを監査し、経営の健全性を確保します。
(iii) 取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続
1. 方針
代表取締役・業務執行取締役の報酬は、その役位と役割貢献度に応じた職務執行の対価として毎月固定額を支給する基本報酬と、各事業年度
の業績に連動した賞与、並びに中長期的な業績向上及び企業価値向上に向けたインセンティブとしての株式報酬型ストックオプションによって構
成されます。執行役員の報酬につきましても、これに準じております。なお、社外取締役の報酬については、毎月固定額を支給する基本報酬のみ
となります。
2. 手続
当社は、報酬決定プロセスの透明性・客観性、報酬体系の妥当性の確保を目的として、代表取締役CFO、独立社外取締役2名及び独立社外監査役1名から成る任意の「指名・報酬委員会」を設けております。当該委員会は、基本報酬や賞与の算定基準、株式報酬型ストックオプションの付与基準を含む報酬制度の妥当性を検証した上で、取締役会に対し、当該制度は妥当である旨の答申を行っております。
個々の取締役に対する報酬の額・内容(基本報酬及び賞与の額並びに株式報酬型ストックオプションの付与数)の決定は、代表取締役CEOに委任しております。ただし、受任者は、上記方針およびII 1.「機関構成・組織運営等に係る事項」【インセンティブ関係】に記載したところに従って所定の基準に基づき決定するものとし、決定に際しては、事前にその案を「指名・報酬委員会」に提示して確認を受けております。
なお、取締役の基本報酬及び株式報酬型ストックオプションの総額は、株主総会により承認された報酬総額(上限)の枠内となります。取締役の賞与につきましては、定時株主総会において賞与支給議案が承認されたときに、支給が確定いたします。
(iv) 経営陣幹部の選解任及び取締役・監査役候補の指名に関する方針と手続
1. 方針
取締役・監査役の候補者及び執行役員は、性別、国籍、年齢等、個人の属性にかかわらず、その職務を公正且つ的確に遂行することができると認められる者であって、次の要件を満たす者から選出することを原則とします。
代表取締役・業務執行取締役
当社の経営理念、行動規範を真に理解しているとともに、執行役員の経験などを通じて当社の事業・業務に広く精通し、複数の事業や機能を俯瞰した実効的な判断ができること。CEOについては、これらに加えて、特に経営に関する豊富な知見と能力を有し、明確なビジョンと強い責任感をもって当社グループを導いていくことができると認められる者であること。
独立社外取締役
取締役会が別途定める独立性判断基準を満たすほか、企業経営、リスク管理、法律、経済などの分野で高い識見及び豊富な経験を有すること。
監査役
当社の事業もしくは経営体制に精通し、または法律、財務・会計、内部統制などの専門分野で高い識見及び豊富な経験を有すること。社外監査役については、取締役会が別途定める独立性判断基準を満たすこと。
執行役員
管理職アセスメント、経営人材選抜研修などにおいて人格面・能力面で高い評価を受けた者であって、特定分野の執行責任を担うに十分な知識・経験と判断能力を有しており、且つ、当社の経営理念、行動規範を真に理解していること。
2. 選任・指名手続
当社は、代表取締役CFO、独立社外取締役2名および独立社外監査役1名から成る任意の「指名・報酬委員会」を設けております。取締役・監査役の候補者の指名および執行役員の選任(最高経営責任者の後継者の選定を含む)に際しては、所定の要件を満たすと認められる者の中から代表取締役CEOが候補を推薦し、その推薦の公正・妥当性を当該委員会にて確認のうえ、取締役会に議案として提出、審議しております。
特に最高経営責任者の後継者候補につきましては、経営幹部の研修制度、執行役員選抜後の人事異動や全社的プロジェクトへの関わりなどを通じた経営経験の蓄積を図る仕組みを通じ、CEOが自らの責務の下で候補の選定・育成を行っており、その過程を「指名・報酬委員会」が確認いたします。
また、監査役候補者については、取締役会の審議に先立ち、監査役会において審議し、その同意を得るものとしております。
3. 経営陣幹部の解任手続
CEOを含む代表取締役・業務執行取締役(以下「経営陣幹部」)につき違法、不正又は背信行為が認められる場合、その役割を果たしていないと認められる場合その他経営陣幹部の任に相応しくないと認められる場合には、取締役・監査役は、いつでも「指名・報酬委員会」に対して当該経営陣幹部の解任の要否を討議するよう求めることができます。
「指名・報酬委員会」での討議の結果は、その内容いかんにかかわらず取締役会に答申され、取締役会において解任の要否が審議されます。審議の対象となる当該経営陣幹部は、審議に加わることができません。
(v) 個々の選解任・指名についての説明
当社は、株主総会の招集通知参考書類に記載するなどの方法により、取締役及び監査役の候補者の選任理由(特に必要と認められる場合には解任又は不選任理由を含む)を説明いたします。
【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取組み等】
1. サステナビリティの考え方
キヤノンは、1988年以来、取締役会で定めた企業理念「共生」を掲げ、世界の繁栄と幸福のために貢献するために努力してまいりました。
すべての人々が、文化、習慣、言語、民族、地域などあらゆる違いを超えて共に生き、共に働き、互いに尊重し、幸せに暮らす社会、また、自然と調和し、未来の子どもたちに、かけがえのない地球環境を引き継ぐことのできる社会の実現に向け、キヤノンは、テクノロジーとイノベーションの力で新たな価値を創造し、世界初の技術、世界一の製品・サービスを提供するとともに、社会課題の解決にも貢献していきます。また、すべての製品ライフサイクルにおいて、より多くの価値を、より少ない資源で提供することで、豊かな生活と地球環境の両立を目指します。
キヤノンは、これからもすべての企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
2. 人的資本、知的財産への投資等
人的資本・知的財産への投資を含む経営資源の配分、サステナビリティを巡る重要課題は、社外取締役や監査役も出席する経営戦略会議で審議され、必要に応じてさらに取締役会に報告、審議がなされます。
(1)人的資本への投資
キヤノンは、向上心・責任感・使命感を尊重する「人間尊重主義」と「実力主義」に基づく公平・公正な配置・評価・処遇を徹底し、「進取の気性」が発揮される企業風土の醸成を図っており、人材育成においては、次世代リーダーの発掘・育成・任用を図る「LEADプログラム」をはじめ、研究開発・ものづくり・販売などのプロフェッショナルを育成する研修プログラムや、トレーニー制度を体系的に実施しています。
また、当社は、【原則3-1 情報開示の充実】(i)2「経営戦略・経営計画」に記載のとおり、事業ポートフォリオの転換とこれに引き続く事業強化を進めているところであり、これらの活動を支える人的資本への投資は重要な経営課題です。
そこで、各事業グループに共通してDX人材へのニーズが高まっていることから、研修施設「CIST(Canon Institute of Software Technology)」を設立し、2022年には年間のべ約6,000人がソフトウェアに関する研修を受講しました。デジタル関連教育を強化する一方、成長性の高い事業領域に人的リソースを移すため、研修と社内公募を合体させた「研修型キャリアマッチング制度」を実施するなど、幅広い人材のリスキリングと社内転職を推進しています。これらの施策により「適材適所」を実現し、人的資本の最大活用を図っております。
(2)知的財産への投資
キヤノンは、独自技術を搭載した製品によって新市場や新規顧客を開拓する研究開発型企業として発展してきました。テクノロジーとイノベーションを重視する企業文化は今日に至るまで不変であり、2007年以降、売上高研究開発費比率は概ね8%以上を維持しております。そして、コアコンピタンス技術等の多様な無形資産を事業展開と価値創造につなげるための知的財産活動は、キヤノンにおいて常に重要な位置を占め、1986年以来、米国の特許登録件数の世界ランキングは5位以内を維持、日本企業としては2005年以来1位を維持しております。
知的財産部門では、知的財産活動の目的を「事業展開の支援」と明確に位置づけており、「グローバル優良企業グループ構想 フェーズV」(2016年~2020年)とこれに続く「フェーズVI」(2021年~2025年)のもとで事業ポートフォリオの転換と事業強化を支援するため、10年後、20年後の姿を描いて特許ポートフォリオを計画的に強化しております。また、既存・新規事業のコアコンピタンス技術を知的財産として保護するだけでなく、異業種との連携や競合他社の事業ポートフォリオの変化を見据えて、IoT社会に不可欠な標準技術やAI等に関する汎用的な特許の出願件数も増加させています。
このように、将来の事業とこれを取り巻く環境を見据えて重点テーマを定め、知的財産力を強化するとともに、保有する特許の価値を評価し、特許の入れ替えをすることで強い特許ポートフォリオを維持しています。これにより、コアコンピタンス技術を守り競争優位性を維持しつつ、他社との折衝も有利に進めることによって必要な権利を使えるようにし、事業の自由度を確保しております。
※キヤノンの知的財産についての取組みは、下記の当社ウェブサイトにて公表しております。
https://global.canon/ja/intellectual-property/
3. TCFD開示要請への対応
当社は、TCFD提言に賛同を表明しており、サステナビリティレポートのほか、CDP気候変動質問書において情報を開示しています。
※サステナビリティや人的資本への投資等に関するキヤノンの取組みは、「サステナビリティレポート」にて公表されております。
https://global.canon/ja/csr/report/index.html
【補充原則4-1-1 経営陣に対する委任の範囲の決定とその開示】
【原則3-1.情報開示の充実】(ii)「コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方と基本方針」に記載のとおり、取締役会は、法令・定款で求められる事項(例:一定額以上の資産の取得・処分)のほか、キヤノングループ全体またはいくつかの事業領域にまたがる重要事項につき意思決定を行うとともに、執行状況の監督を担います。取締役会に付議すべき事項の詳細は、取締役会規則に定められております。
それ以外の意思決定と執行については、取締役会が定める分掌及び職務権限に関する規程に基づき、CEO以下の代表取締役がこれを行うほか、代表取締役の指揮・監督の下、取締役会決議により選任される執行役員が各事業領域または機能の責任者としてそれぞれ意思決定と執行を担います。
【原則4-8 独立社外取締役の有効な活用】
【原則3-1.情報開示の充実】(ii)「コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方と基本方針」に記載のとおり、取締役会は、CEO、COO、CFO、CTOといった全社的事業戦略または執行を統括する代表取締役と、複数の事業領域または本社機能を統括する代表取締役または業務執行取締役を中心としつつ、経営の健全性を担保するため、2名以上且つ3分の1以上の独立社外取締役を加えた体制とします。現在、取締役総数は5名(代表取締役3名、独立社外取締役2名)です。
【原則4-9 独立社外取締役の独立性判断基準】
当社は、金融商品取引所が定めるコーポレートガバナンス・コード(原則4-9)および独立性基準を踏まえ、独立社外取締役および独立社外監査役の独立性を担保するための基準を明らかにすることを目的として、全監査役の同意のもと、当社取締役会の決議をもって「独立社外役員の独立性判断基準」を制定しております。
※ 「独立性判断基準」は、下記の当社ウェブサイトにて公表されております。
https://global.canon/ja/ir/strategies/governance.html
『独立社外役員の独立性判断基準』
当社は、社外取締役・社外監査役の要件および金融商品取引所の独立性基準を満たし、且つ、次の各号のいずれにも該当しない者をもって、独立社外役員(当社経営陣から独立し、一般株主と利益相反が生じるおそれのない者)と判断する。
1. 当社グループ(当社およびその子会社をいう。以下同じ。)を主要な取引先とする者もしくは当社グループの主要な取引先またはそれらの
業務執行者
2. 当社グループの主要な借入先またはその業務執行者
3. 当社の大株主またはその業務執行者
4. 当社グループから多額の寄付を受けている者またはその業務執行者
5. 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家(法人、組合等の
団体である場合は当該団体に所属する者をいう。)
6. 当社グループの会計監査人である監査法人に所属する公認会計士(当社の直前3事業年度のいずれかにおいてそうであった者を含む。)
7. 社外役員の相互就任関係となる他の会社の業務執行者
8. 各号に該当する者のうち、会社の取締役、執行役、執行役員、専門アドバイザリーファームのパートナー等、重要な地位にあるものの
近親者(配偶者および二親等以内の親族)
【補充原則4-10-1 指名・報酬委員会の構成の独立性に関する考え方・権限・役割等】
当社の指名・報酬委員会は、独立社外取締役全員(2名)に加えて独立社外監査役1名を構成員とすることで独立性を確保しており、下記の事項等につき取締役会から諮問を受けて審議のうえ、その結果を取締役会に答申することを役割としております。
イ) 取締役、監査役及び執行役員の各候補者の選定が公正であるか
ロ) 取締役及び執行役員の報酬制度が妥当であるか
また、必要に応じて取締役(最高経営責任者を含む)、監査役及び執行役員に求められる資質、スキル等について審議するほか、任に相応しくないと認められる代表取締役・業務執行取締役(CEOを含む)の解任の要否を審議し、それぞれ審議結果を取締役会に答申いたします。
【補充原則4-11-2 取締役・監査役の兼任状況】
当社では、取締役または監査役の選任議案がある株主総会の招集通知参考書類において、その候補者の選任理由とともに、重要な兼職の状況を開示しております。
また、少なくとも年1回、全取締役・監査役の兼任状況を確認のうえ、開示いたします。
なお、現在の兼任状況(他の上場会社の役員を含む)は次のとおりです。
【取締役】
御手洗 冨士夫
・株式会社読売新聞グループ本社監査役
齊田 國太郎
・弁護士
川村 雄介
・DM三井製糖ホールディングス株式会社取締役
・一般社団法人グローカル政策研究所代表理事
【監査役】
田中 豊
・弁護士
・金融庁法令等遵守調査室室長
【補充原則4-11-3 取締役会の実効性についての分析・評価】
当社では、年1回、以下の項目について各取締役および各監査役にアンケート調査を行い、その結果を踏まえて取締役会において取締役会全体の実効性に関する分析・評価を実施いたします。
・取締役会の運営について(資料の配布時期、開催頻度、審議時間の妥当性など)
・取締役会の意思決定・監督機能について(取締役会付議事項・付議基準、報告内容の妥当性など)
・監査役・社外取締役の役割について(会社の業務・組織を理解する研修等の機会の必要性など)
2022年度については、2023年2月開催の取締役会において、議案に関する社外取締役・監査役会への事前説明、経営戦略会議等への社外取締役の出席を通じた経営に関する情報共有、監査役の監査結果に基づく社外取締役・監査役会間の定期的な意見交換、各事業部門から社外取締役・監査役への事業戦略の個別説明、サステナビリティ担当部門から社外取締役・監査役への具体的な取り組みの説明など、取締役会における審議の充実のための継続的な工夫が図られていることから、取締役会の実効性に問題はない旨の評価がなされました。
今後も、年1回の分析・評価を継続し、結果概要を開示するとともに、必要に応じて取締役会の運営等につき改善を図ってまいります。
【補充原則4-14-2 取締役・監査役に対するトレーニングの方針】
当社では、取締役及び監査役に対し、就任時、その役割、職責についての理解の徹底及び職務を適切に果たすために必要または有用な知識の確保を目的として、研修を実施しております。また、就任後も、会社の費用負担にて社内外の研修を受講できる仕組みとしております。
更に、社外取締役や社外監査役が当社の業務に精通できるよう、適宜、経営戦略会議等の社内重要会議への出席、事業部門の責任者等との会合、事業所の視察などの機会を設けております。
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
1. 方針
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会、経営方針説明会、決算説明会、主要機関投資家との面談等により、株主との間で建設的な対話を行います。
2. 対話を促進する体制
イ) IR部門、サステナビリティ部門及び法務部門が連携して対話促進を担当し、代表取締役CFOがこれを統括いたします。
ロ) アナリスト、機関投資家に対し、年初にCEOによる経営方針説明会を実施するほか、 四半期毎にCFOによる決算説明会を実施しております。個人投資家に対しては、当社ウェブサイトに専用ページ※を設け、経営方針、決算、財務データなどを分かりやすく掲載いたします。また、適宜、担当役員、社外取締役、監査役などとの面談の機会を設け、国内外のアナリスト・機関投資家との対話に努めております。詳細は、別途本報告書III 2.「IRに関する活動状況」に記載のとおりです。
※「キヤノン株式会社 投資家情報」は下記の当社ウェブサイトにて公表されております。
https://global.canon/ja/ir/
ハ) 株主との対話により得られた意見または要望については、適宜、担当部署がCFOに報告し、重要なものについてはCFOがCEOまたは取締役会に報告いたします。
3. インサイダー情報の管理
「インサイダー取引防止規程」において未公表の重要事実の管理を徹底するとともに公表プロセスを定め、株主との対話に際して当社の未公表の重要情報が不用意に提供されることがないよう徹底しております。
【大株主の状況】
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 176,492,500 | 17.66 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 69,360,700 | 6.94 |
株式会社みずほ銀行 | 22,558,173 | 2.26 |
SMBC日興証券株式会社 | 22,420,209 | 2.24 |
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234 | 21,958,878 | 2.20 |
第一生命保険株式会社 | 16,695,780 | 1.67 |
株式会社大林組 | 16,527,607 | 1.65 |
バークレイズ証券株式会社 BNYM | 14,796,800 | 1.48 |
モックスレイ・アンド・カンパニー・エルエルシー | 14,166,157 | 1.42 |
損害保険ジャパン株式会社 | 13,080,087 | 1.31 |
補足説明
大株主の状況は2023年6月30日現在の状況です。
第一生命保険株式会社については、上記の他に、退職給付信託に係る信託財産として設定した当社株式が6,180,000株あります。
各株主の割合は、発行済株式総数から当社自己株式334,635,475株(発行済株式総数に対する割合25.09%。2023年6月30日現在)を控除して算出しております。
なお、当社は2023年6月16日から8月9日までの間に計13,433,500株の自己株式の市場買付けを実施いたしました。(このうち、2023年7月1日以降に11,326,200株を買付けております。)
3.企業属性
東京 プライム、名古屋 プレミア、札幌 既存市場、福岡 既存市場 |
12 月 |
電気機器 |
1000人以上 |
1兆円以上 |
300社以上 |
4.支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針
―――
5.その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情
当社は、上場子会社としてキヤノンマーケティングジャパン株式会社とキヤノン電子株式会社を有しております。
当社グループは、連結業績の最大化を目指す上で、上場子会社については、独立性を維持しながら機動的な経営を行う体制を継続することによって、安定的に収益を計上し、少数株主を含む株主全体の利益に合致した形で、グループ全体の企業価値向上を図っていくものとしております。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社は当社製品の販売事業のほか、ITソリューションなど同社独自の事業を展開しております。また、キヤノン電子株式会社は当社からの受託生産のほか、同社独自の製品の販売を行い、宇宙関連の新規事業も手掛けております。
両子会社ともに、当社関連事業と独自事業の双方を有しており、キヤノングループの一員としての強みを活かしつつ、当社から独立した意思決定や資金調達手段などを保持することが、グループ価値の最大化に資する体制であると総合的に判断し、上場を維持しております。
両子会社は独立して経営しております。また、当社役員による両子会社役員の兼務はありません。両子会社では、ともに、独立した社外取締役の活用によりガバナンスの向上を図っており、当社・両子会社間の取引においては取引の適正性の確保の観点からアームズ・レングス・ルールを適用するなど、当社・両子会社双方の少数株主の利益を不当に害さぬよう努めております。
Ⅱ経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況
※ 会社との関係についての選択項目
※ 本人が各項目に「現在・最近」において該当している場合は「○」、「過去」に該当している場合は「△」
※ 近親者が各項目に「現在・最近」において該当している場合は「●」、「過去」に該当している場合は「▲」
a | 上場会社又はその子会社の業務執行者 |
b | 上場会社の親会社の業務執行者又は非業務執行取締役 |
c | 上場会社の兄弟会社の業務執行者 |
d | 上場会社を主要な取引先とする者又はその業務執行者 |
e | 上場会社の主要な取引先又はその業務執行者 |
f | 上場会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家 |
g | 上場会社の主要株主(当該主要株主が法人である場合には、当該法人の業務執行者) |
h | 上場会社の取引先(d、e及びfのいずれにも該当しないもの)の業務執行者(本人のみ) |
i | 社外役員の相互就任の関係にある先の業務執行者(本人のみ) |
j | 上場会社が寄付を行っている先の業務執行者(本人のみ) |
k | その他 |
会社との関係(2)
齊田 國太郎 | ○ | 当社は、齊田國太郎氏の当社取締役就任前、同氏に対し、顧問報酬を支払っていたことがありますが、報酬は年間1,200万円以下と多額でなく、契約は既に終了しております。 | 齊田國太郎氏は、高松、広島、大阪各高等検察庁検事長などの要職を歴任後、弁護士として企業法務に携わり、また、複数の企業の社外役員の経験も有しております。その豊富な経験および法務に関する高度な知見に基づき、コンプライアンス確保の観点を含む内部統制の仕組みやコーポレート・ガバナンスの在り方に関する議論において、特に有益な助言がいただけるものと期待し、社外取締役として選任しております。 また、同氏は、取引所および当社の定める独立性基準に照らし、一般株主と利益相反が生ずるおそれがないものと判断したため、独立役員として指定しております。 |
川村 雄介 | ○ | ――― | 川村雄介氏は、証券会社勤務を経て大学教授、財務省や金融庁の審議会委員、日本証券業協会の特別顧問などを務め、金融・証券制度や金融機関の経営戦略の専門家であるとともに、社外取締役としての経験も豊富です。その豊富な経験および金融・証券に関わる高度な知見に基づき、M&A、株主・投資家の視点を踏まえたESG関連テーマの議論等において、特に有益な助言がいただけるものと期待し、社外取締役として選任しております。 また、同氏は、取引所および当社の定める独立性基準に照らし、一般株主と利益相反が生ずるおそれがないものと判断したため、独立役員として指定しております。
|
任意の委員会の設置状況、委員構成、委員長(議長)の属性
|
指名・報酬委員会 | 4 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 社内取締役 |
指名・報酬委員会 | 4 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 社内取締役 |
補足説明
当社は、取締役、監査役及び執行役員の各候補者の選定の公正・妥当性の確保、CEOを含む代表取締役・業務執行取締役の解任の要否の審議、並びに取締役及び執行役員の報酬体系の妥当性の確保を目的として、代表取締役CFO、独立社外取締役2名及び独立社外監査役1名から成る任意の「指名・報酬委員会」を設けております。当委員会の直近の活動状況については、以下のとおりです。その他詳細につきましては、I 1.【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】【原則3-1 情報開示の充実】の(iii)「取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続」、(iv)「経営陣幹部の選解任及び取締役・監査役候補の指名に関する方針と手続」、及び【補充原則4-10-1 指名・報酬委員会の構成の独立性に関する考え方・権限・役割等】をご参照ください。
・2022年1月18日 取締役、監査役及び執行役員の選定に関する確認、審議/役員個別報酬額(賞与)及び報酬制度運用の適正性に関する確認、審議
・2022年3月23 日 役員個別報酬額(基本報酬・株式報酬型ストックオプション)及び報酬制度運用の適正性に関する確認、審議
・2023年1月18日 取締役、監査役及び執行役員の選定に関する確認、審議/役員個別報酬額(賞与)及び報酬制度運用の適正性に関する確認、審議
・2023年3月23日 役員個別報酬額(基本報酬・株式報酬型ストックオプション)及び報酬制度運用の適正性に関する確認、審議
委員を務める社外役員は、社外取締役の齊田國太郎、川村雄介及び社外監査役の田中豊の3名で、いずれも上記委員会すべてに出席しております。
また、2023年9月1日付で、本委員会の議長を務めてきた代表取締役CEO御手洗冨士夫に代わって代表取締役CFOの田中稔三が委員に就任し、同月4日、取締役の選定に関する確認、審議のため、新体制の下での最初の会議を開催しました(齊田取締役は欠席)。
なお、審議資料の準備、議事録の作成その他当委員会の運営の支援にかかる業務を行うため、秘書室に事務局を置いております。
監査役、会計監査人、内部監査部門の連携状況
【監査役と会計監査人の連携状況】
監査役及び監査役会は、会計監査人から監査開始前に監査計画の概要や重点監査項目等についての説明を受け、その妥当性について確認しております。また、会計監査人から月1回以上、会計監査、四半期レビュー及び、内部統制監査などの実施状況の報告を受けるとともに意見表明前に監査結果の報告を受けております。「監査上の主要な検討事項」については、定期的にリスク対応手続の実施状況の報告を受け、意見交換を行っております。
監査役は会計監査人の実地棚卸立会に同行するほか、主要な関係会社の監査を担当する会計監査人とのミーティングを実施し、監査実施状況の把握に努めております。会計監査人の監査の品質管理体制について詳細な説明を受け、必要に応じて情報提供を求めてその妥当性を確認しております。なお、会計監査人の独立性を監視することを目的として、子会社を含めて、監査及び非監査の業務契約等の内容及び報酬額を監査役会が事前承認する制度を導入しております。
【監査役と内部監査部門の連携状況】
監査役及び監査役会は、内部監査部門から事前に内部監査計画の概要、監査項目について報告を受け、内部監査実施後にはすべての監査結果及び評価の報告を聴取しております。また必要に応じて適宜、意見・情報交換を行う等、緊密な連携を図っております。
会社との関係(1)
田中 豊 | 弁護士 | | | | | | | | | | | | | |
吉田 洋 | 公認会計士 | | | | | | | | | | △ | | | |
樫本 浩一 | 他の会社の出身者 | | | | | | | | | | △ | | | |
※ 会社との関係についての選択項目
※ 本人が各項目に「現在・最近」において該当している場合は「○」、「過去」に該当している場合は「△」
※ 近親者が各項目に「現在・最近」において該当している場合は「●」、「過去」に該当している場合は「▲」
a | 上場会社又はその子会社の業務執行者 |
b | 上場会社又はその子会社の非業務執行取締役又は会計参与 |
c | 上場会社の親会社の業務執行者又は非業務執行取締役 |
d | 上場会社の親会社の監査役 |
e | 上場会社の兄弟会社の業務執行者 |
f | 上場会社を主要な取引先とする者又はその業務執行者 |
g | 上場会社の主要な取引先又はその業務執行者 |
h | 上場会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家 |
i | 上場会社の主要株主(当該主要株主が法人である場合には、当該法人の業務執行者) |
j | 上場会社の取引先(f、g及びhのいずれにも該当しないもの)の業務執行者(本人のみ) |
k | 社外役員の相互就任の関係にある先の業務執行者(本人のみ) |
l | 上場会社が寄付を行っている先の業務執行者(本人のみ) |
m | その他 |
会社との関係(2)
田中 豊 | ○ | ――― | 田中豊氏は、長年にわたり民事事件を担当する裁判官を務めた後、弁護士として企業法務の実務に携わるとともに、法科大学院の教授の任に当たるなど、法務に関する豊富な経験と高度な専門的知識を有しており、それらを当社の一層の適正な監査の実現のために活かしたく、社外監査役として選任しております。 また、同氏は、取引所および当社の定める独立性基準に照らし、一般株主と利益相反が生ずるおそれがないものと判断したため、独立役員として指定しております。 |
吉田 洋 | ○ | 吉田洋氏は、過去に当社の会計監査人である有限責任監査法人トーマツに所属しておりましたが、退職後3事業年度を経過しております(2017年3月、同監査法人を退職)。また、同監査法人と当社との間には業務委託契約等に基づく取引がありますが、その年間取引額は、当社の連結売上高および同監査法人の業務収入の1%に満たない額であります。 | 吉田洋氏は、長年にわたり公認会計士として 企業会計の実務に携わっており、企業会計に 関する豊富な経験と高度な専門的知識を有し ていることから、それらを一層の適正な監査の 実現のために活かしたく、社外監査役として選 任しております。 また、同氏は、取引所および当社の定める独立性基準に照らし、一般株主と利益相反が生ずるおそれがないものと判断したため、独立役員として指定しております。
|
樫本 浩一 | ○ | 樫本浩一氏は、第一生命保険株式会社 の出身者であります。同社は当社の株主 でありますが、その持株比率は約1.7% (発行済株式総数から自己株式数を控除 して算出)であります。また、同社と当社と の間には保険契約等に基づく取引があり ますが、その年間取引額は、当社及び 第一生命保険株式会社それぞれの連結年間売上高の1%に満たない額であります。 | 樫本浩一氏は、長年にわたり、大手生命保険会社において経営管理業務に携わってきたほか、法務を含む総務業務の統括責任者を務め、国際経験も豊富であることから、その知識と経験を、海外を含む当社グループを俯瞰した監査に活かしたく、社外監査役として選任しております。 また、同氏は、取引所および当社の定める独立性基準に照らし、一般株主と利益相反が生ずるおそれがないものと判断したため、独立役員として指定しております。 |
その他独立役員に関する事項
独立役員の資格を満たす社外役員を全て独立役員に指定しております。
【インセンティブ関係】
業績連動報酬制度の導入、ストックオプション制度の導入 |
該当項目に関する補足説明
(業績連動報酬の導入)
「賞与」は、取締役の任期1年間の成果に報いる趣旨で年1回支給する金銭報酬です。グループ全体の年間の企業活動の成果である「連結税引前当期純利益」を指標とし、この利益の額に当該取締役の役位に応じた所定の係数を乗じた額と役割貢献度に応じた個人別査定額を合計して算出いたします。
当社では、賞与は配当や内部留保とともに、その本質は会社利益の配分であるとの考え方から、その支給の可否及び上記により算出した支給額
の合計について毎年の株主総会に諮っております。
(ストックオプション制度の導入)
「株式報酬型ストックオプション」は、株価変動のメリットとリスクを株主と共有し、中長期的な業績向上や企業価値向上に向けた取締役の動機がより高まることを期待し、年1回、当社株式の新株予約権を付与するものです。
当該新株予約権の総額は、2018年3月29日開催の第117期定時株主総会において「年額3億円以内」と定めており、当該新株予約権の付与数は、役位並びに前事業年度の「連結税引前当期純利益」及び役割貢献度に応じて定められる額(当該新株予約権と引換えにする払込みに充てるために取締役に付与する金銭報酬債権の額)と付与時の株価水準を基に算出した数としております。在任期間を通しての成果に対する報酬との考えから、退職の時に権利行使できる仕組みとしております。なお、付与対象者において、不正や善管注意義務に抵触する行為等があると認められた際には、新株予約権の全部または一部の行使を制限することがあります。
(業績連動報酬とそれ以外の報酬等の支給割合等)
基本報酬、賞与、株式報酬型ストックオプションの構成割合については、中長期的視点で経営に取り組むことが重要との考えから、基本報酬の水準と安定性を重視することを基本としつつ、単年度業績の向上及び株主利益の追求にも配慮し、取締役の基本報酬に対する賞与及び株式報酬型ストックオプションの構成比は、各役位の平均で、それぞれ最大5割程度、及び最大3割程度となるよう設計しております。
該当項目に関する補足説明
その他とは、執行役員をいいます。社外取締役を除く取締役及び執行役員が業績向上及び企業価値向上の中心的役割を果たすべき立場にある
と考え、それらを付与対象者といたしました。
なお、これまでの各期に取締役及び執行役員に割り当てた新株予約権の総額は以下のとおりです。
第118期:約2億1,800万円(付与対象者33名)
第119期:約2億6,500万円(付与対象者35名)
第120期:約1億4,700万円(付与対象者35名)
第121期:約9,700万円(付与対象者35名)
第122期:約1億7,500万円(付与対象者36名)
該当項目に関する補足説明
連結報酬等の総額が1億円以上である者につきましては、有価証券報告書において個別開示を行っております。
報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容
取締役の報酬等の決定に関する方針につきましては、I 1.「基本的な考え方」【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】【原則3-1 情報開示の充実】、(iii)「取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するに当たっての方針と手続」及びII 1.「機関構成・組織運営等に係る事項」【インセンティブ関係】に記載のとおりです。
【社外取締役(社外監査役)のサポート体制】
(社外取締役のサポート体制)
社外取締役には、取締役会の上程議案について担当部門から事前に説明を行います。
(社外監査役のサポート体制)
当社は監査役室に専任従業員を配置し、社外監査役を含む監査役5名をサポートしております。取締役会の上程議案に関する事前説明は、
社内監査役または関係部門の責任者が行っております。また、会計監査人や内部監査部門である経営監理室からの監査に関する説明や報告
の際には、社外監査役も全てに出席することになっておりますが、出席出来ない場合でも、監査結果報告資料の閲覧などにより状況を把握でき
るようにしております。更に監査役会を月に1回以上開催するほか、情報共有及び監査役会の補完を目的とする監査役連絡会を随時開催する
等して、重要事項及びそれぞれの監査内容に関する情報を監査役間で共有しております。
その他の事項
代表取締役社長等を退任後に顧問等とする制度はありません。なお、代表取締役社長・CEOの退任者に限らず、役員退任者の助言等を特に必要とする場合には、「指名・報酬委員会」の審議及び取締役会決議を経て、顧問等への就任を要請する場合があります。
2.業務執行、監査・監督、指名、報酬決定等の機能に係る事項(現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要)
(取締役会、代表取締役、執行役員)
取締役会は、社内出身の代表取締役3名、独立役員である社外取締役2名の計5名から構成されています。また、執行役員は、2023年4月1日付で女性2名、外国人1名を含む40名です。※
このような体制とした狙いについては、I 1.「基本的な考え方」【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】【原則3-1 情報開示の充
実】(ii)「コーポレート・ガバナンスに関する基本的考え方と基本方針」に記載のとおりです。第122期(2022年)は取締役会を10回開催し、取締役の
職務執行状況の報告を受けたほか、決算、役員人事等の定例事項に加え、法令や取締役会規則に定める重要事項を審議し、決議しました。各取締役、監査役はいずれも、当期開催のすべての取締役会(期中に就任した役員は就任後開催されたすべての取締役会)に出席しております。
※当社は以下の通り1名の社外取締役の退任および6名の取締役(うち社外取締役3名)の新任を、2024 年3月開催予定の第123期定時株主総会において、正式決定する予定です。
退任予定取締役: 齊田 國太郎
新任取締役候補者: 小川 一登
武石 洋明
浅田 稔
池上 政幸 (社外取締役)
鈴木 正規 (社外取締役)
伊藤 明子 (社外取締役)
当社投資家情報(IRニュース)サイト:https://global.canon/ja/ir/release/2023/p2023sep07j.pdf
(経営戦略会議、リスクマネジメント委員会、開示情報委員会)
代表取締役及び一部の執行役員で構成する経営戦略会議を置き、CEOの決定事項のうち、グループ戦略に関わる重要案件につき、事前審議を
しております。本会議には社外取締役及び監査役も出席し、意見を述べることができます。
また、当社は、取締役会決議に基づき、キヤノングループのリスクマネジメント体制の整備に関する方針や施策を立案する「リスクマネジメント委員会」を置いております。同委員会は、財務報告の信頼性確保のための体制の整備を担当する財務リスク分科会、企業倫理の徹底及び遵法体制の整備を担当するコンプライアンス分科会、品質リスクや情報漏洩リスク等の事業リスク全般の管理体制の整備を担当する事業リスク分科会の3つの分科会から構成されています。「リスクマネジメント委員会」は、リスクマネジメント体制の整備・運用状況を検証し、その結果をCEO及び取締役会に報告する役割を担っております。
その他、重要会社情報の適時、正確な開示のため、開示情報の内容や開示時期等を審議する「開示情報委員会」を置いております。
(監査役、監査役会)
当社は、監査役会設置会社であります。監査役は現在5名で、うち3名が独立役員である社外監査役であります。監査役は、監査役会で決定した監査方針、監査計画に従い、取締役会、経営戦略会議等の重要会議への出席、取締役等からの報告の聴取、重要な決裁書類等の閲覧、当社及び子会社の業務及び財産の状況に関する調査等を行っております。また、取締役等の指揮命令から独立した監査役室を設置し、専任従業員を配置しているほか、必要な場合には、監査役は、本社管理部門等に調査を指示することができます。これらにより、内部統制システムの整備・運用状況を含む取締役等の職務執行に対する厳正な監査を実施し、経営への監視機能を果たしております。また、内部監査部門及び会計監査人と密接に連携すること等により、監査の実効性の向上を図っております。
(社外取締役及び社外監査役の機能及び役割、選任状況に関する考え方)
金融商品取引所が定めるコーポレートガバナンス・コード(原則4-9)及び独立性基準を踏まえ、独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性を担保するための基準を明らかにすることを目的として、全監査役の同意のもと、当社取締役会の決議をもって「独立社外役員の独立性判断基準」を制定しております。当該基準は、当社ウェブサイト(https://global.canon/ja/ir/strategies/governance.html)に掲載しております。当社の社外取締役及び社外監査役は全て当該「独立性判断基準」を満たしており、取締役会の透明性とアカウンタビリティの維持向上に貢献する役割を担っております。
(内部監査部門)
当社は内部監査部門として経営監理室を設置しており、同室は、遵法や内部統制システム等の監査及び評価と提言を行っております。また、品質や環境、安全衛生等のテーマについても、同室が監査を実施しております。監査結果は、CEO、CFOのほか、上記【監査役と内部監査部門の連携状況】のとおり監査役及び監査役会に報告されます。また、社外取締役にも定期的に報告が行われ、社外取締役が必要に応じて取締役会への付議を求めることができる体制としております。
(会計監査人)
当社は有限責任監査法人トーマツと監査契約を結び、会計監査を受けております。
当社の会計監査業務を執行した公認会計士の氏名、所属する監査法人名は以下のとおりとなっております。
〈当期(当社第122期)において業務を執行した公認会計士の氏名、所属する監査法人、継続監査年数〉
指定有限責任社員 業務執行社員 山田 政之、有限責任監査法人トーマツ、3年
指定有限責任社員 業務執行社員 高居 健一、有限責任監査法人トーマツ、3年
指定有限責任社員 業務執行社員 中村 進、有限責任監査法人トーマツ、3年
指定有限責任社員 業務執行社員 高木 秀明、有限責任監査法人トーマツ、3年
監査法人の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士46名、その他128名です。
(取締役・監査役候補者の指名、経営陣・幹部取締役の報酬決定の方針・手続)
I 1.「基本的な考え方」【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】【原則3-1 情報開示の充実】(iii)「取締役会が経営陣幹部・取締
役の報酬を決定するに当たっての方針と手続」及び(iv)「経営陣幹部の選解任及び取締役・監査役候補の指名に関する方針と手続」並びにII 1.
「機関構成・組織運営等に係る事項」【取締役関係】及び【インセンティブ関係】に記載のとおりです。
(取締役及び監査役との責任限定契約)
当社は、会社法第427条第1項の規定により、社外取締役及び社外監査役との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結
しております。当該契約に基づく責任の限度額は、法令が規定する限度額としております。
3.現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由
I 1.「基本的な考え方」【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】及び II 2.「業務執行、監査・監督、指名、報酬決定等の機能に係る事項(現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要)」に記載のとおりです。
1.株主総会の活性化及び議決権行使の円滑化に向けての取組み状況
直近の定時株主総会においては開催日(2023年3月30日)の24日前(3月6日)に発送いたしました。 |
インターネットによる議決権行使を可能にしております。 |
議決権電子行使プラットフォームに参加しております。 |
招集通知の参考英訳を作成し、東京証券取引所及び当社ウェブサイトに掲載しております。 |
直近の定時株主総会においては、株主総会参考書類等の情報について、株主総会招集通知の発送日(2023年3月6日)の7日前(2月27日)に当社ウェブサイトおよび証券取引所ウェブサイトに掲載し、電子提供措置を開始いたしました。 |
2.IRに関する活動状況
関連法規及び証券取引所の開示ルールに則って、株主及び資本市場に対し て情報が正確且つ網羅的に開示される体制を強化するために、2005年4月に 「開示情報委員会」を設置しました。重要な会社情報について、適時開示の要 否、開示内容、開示の時期等の検討及び決定の役割を担うとともに、各部門で発生した重要な会社情報について、迅速且つ網羅的に情報を収集する体制を構築しております。なお、株主や投資家に対して、経営方針説明会や決算説明会を開催するとともに、個人投資家向け専用ページも設けるなど、ホームページの拡充を図り、経営状況の迅速且つ正確な情報開示を継続しております。 | |
代表取締役会長兼社長 CEOによる経営方針説明会を継続的に実施しております。また、各四半期の決算発表当日に、代表取締役副社長 CFOが、国内のアナリスト・機関投資家向けに決算説明会を実施しております。 | あり |
代表取締役会長兼社長 CEOまたは代表取締役副社長 CFOが開催した説明会の英語資料を海外投資家向けにホームページに掲載するとともに、継続的にCEO/CFOが海外投資家と面談し、当社の経営戦略や事業戦略の説明をしております。 | あり |
有価証券報告書や決算短信など開示義務のある資料に加えて、株主・投資家・アナリストにとって有用と考えられる各種説明会資料や統合報告書など、財務情報と非財務情報を織り交ぜて掲載しています。 また、基本的な事業戦略やESGの取り組み、個人投資家向け会社紹介などのページを設け、分かり易さを意識した開示に努めています。
(日本語サイト) https://global.canon/ja/ir/ (英語サイト) https://global.canon/en/ir/ キヤノン統合報告書 2023: https://global.canon/ja/ir/library/integrated.html | |
担当部門は渉外本部 広報・IRセンター IR推進室となっております。 担当役員は代表取締役副社長 CFO、事務連絡責任者はIR推進室 室長となっております。 | |
3.ステークホルダーの立場の尊重に係る取組み状況
当社は、企業理念に『共生』を掲げており、顧客・地域社会・株主に対してはもちろん、国や地域、地球や自然に対してもよりよい関係をつくり、社会的責任を果たすことをめざしております。この理念は「キヤノングループ行動規範」に盛り込まれており、当社役員、執行役員及び従業員は、この規範に沿って業務を遂行しております。 |
キヤノンは、【補充原則3-1-3サステナビリティについての取り組み等】に記載の「サステナビリティの考え方」のもと、持続可能な社会に向けた取り組みを進めています。新たな価値の創造を通じ、社会課題の解決に貢献するとともに、企業活動にともなう社会的責任に真摯に取り組んでいます。環境問題への対応については、経営の重要課題の1つと認識し、「資源生産性の最大化」を環境保証理念に、2050年にCO2排出量をネットゼロとすることを目指して、製品ライフサイクル全体で取り組みを進めています。さらに、人権に対するキヤノンの姿勢を表明する「キヤノングループ人権方針」を制定し、グループ全体で人権デューデリジェンスを進めています。また、グローバルサプライチェーンにおける社会的責任を推進する業界団体である「Responsible Business Alliance(RBA)」の加盟企業として、RBA行動規範を尊重し、サプライチェーンにおける社会的責任に取り組んでいます。 具体的な取り組みについては、サステナビリティレポートや統合報告書にて毎年報告しているほか、ウェブサイトにて適宜最新情報を開示しています。
サステナビリティサイト:https://global.canon/ja/sustainability/ キヤノンサステナビリティレポート 2023: https://global.canon/ja/sustainability/report/pdf/canon-sus-2023-j.pdf |
情報開示の方針については、独自のガイドラインを定め、これに則った形での情報開示をしております。また、2005年に「開示情報委員会」を設置し、重要な経営情報を正確且つ網羅的で公正に開示できるようにしております。 |
◆従業員に係る取組み状況 女性・外国人・中途採用者の登用等に関する現状及び取組み並びに人的資本への投資に対する考え方については、前記【コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示】の【補充原則2-4-1 中核人材の登用等における多様性の確保】及び【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取組み等】2. (1)「人的資本への投資」に記載のとおりです。 従業員に係るその他の取組みは、以下及びサステナビリティレポートを参照ください。 https://global.canon/ja/csr/report/index.html
<働き方改革の方針と取り組み> 当社は、「生産性向上」と「ワーク・ライフ・バランス」の好循環を目的とした「働き方改革」を2012年より開始しています。その結果、2022年の一人あたりの年間総実労働時間は平均1,740時間となり、所定労働時間の1,800時間を大きく下回っております。特に2020年からは生産性向上を目的としたテレワーク制度を導入し、時間や場所を有効活用した柔軟な働き方を推進しています。また7~9月を「ワーク・ライフ・バランス推進期間」と位置づけ、始業時刻と終業時刻の前倒しを行っています。当期間中には、自己啓発プログラムの提供や、各種セミナー、職場交流イベントの開催等、多様な取り組みを行うことで従業員のワーク・ライフ・バランスの充実に向けたサポートを行っています。さらに、従業員のキャリア形成を支援するため、終業後や週末に受講できる研修の開催や、eラーニングの充実に取り組んでいます。 その他、働き方改革の一環として、RPAの活用を進め、人とロボットの共生によるさらなる生産性の向上を目指しています。
<健康支援について> 創業当時からの行動指針の一つである「健康第一主義」に基づき、体系的な健康支援策を推進しています。近年では、メンタルヘルス、生活習慣病、がん、過重労働への対策を重点項目として取り組み、経済産業省と東京証券取引所が実施する「健康経営銘柄」に2019年から5年連続で選定されました。
<障がい者の活躍促進について> 長年にわたり積極的に障がい者採用を行っています。障がいのある方にとって働きやすい職場環境づくりに注力しており、バリアフリー対応をはじめとした設備面の改善や、研修や体験会による障がい者とのコミュニケーションの促進に努めています。また、社内に専門組織や相談窓口を設け、差別禁止を徹底するとともに、合理的配慮の提供に努め、障がい者の活躍を支援しています。 (2023年6月1日時点 障がい者雇用率 2.55%) |
1.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社が業務の適正を確保するための体制として取締役会において決議した内容(基本方針)及び当該体制の運用状況の概要は、次のとおりであります。
業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の基本方針
【基本方針の決議の内容】
当社ならびに当社及びその子会社からなる企業集団は、業務の適正を確保し、企業価値の継続的な向上を図るため、創立当初からの行動指針
である「三自の精神(自発・自治・自覚)」に基づく健全な企業風土と、「キヤノングループ行動規範」による遵法意識の醸成に努めるとともに、当社
CEO及び各部門の責任者ならびに各子会社の執行責任者の権限と決裁手続の明確化を通じ、キヤノングループ全体の「経営の透明性」を確保する。
1.コンプライアンス体制(会社法第362条第4項第6号、会社法施行規則第100条第1項第4号)
【基本方針の決議の内容】
(1)取締役会は、「取締役会規則」を定め、これに基づきキヤノングループの経営上の重要事項を慎重に審議のうえ意思決定するとともに、
代表取締役、業務執行取締役及び執行役員(以下「取締役等」)の業務の執行状況につき報告を受ける。
(2)業務遂行にあたり守るべき規準として取締役会が定める「キヤノングループ行動規範」を用い、新入社員研修、管理職登用研修、
新任役員研修等の場においてコンプライアンスを徹底する。
(3)リスクマネジメント体制の一環として、日常の業務遂行において法令・定款の違反を防止する業務フロー(チェック体制)及び
コンプライアンス教育体制を整備する。
(4)内部監査部門は、取締役等及び従業員の業務の執行状況を監査する権限を有しており、法令・定款の遵守の状況についても監査を
実施する。
(5)従業員は、キヤノングループにおいて法令・定款の違反を発見した場合、内部通報制度を活用し、社外取締役、社外監査役を含む
いずれの役員にも匿名で事実を申告することができることとする。また、当社は、内部通報者に対する不利な取扱いを禁止する。
【運用状況の概要】
(1)当期(当社第122期)は取締役会を10回開催し、重要事項につき審議・決定したほか、主要部門を担当する取締役等から業務執行に
つき報告を受けました。
(2)「キヤノングループ行動規範」を用いたコンプライアンス研修を実施したほか、職場単位で身近な法令違反リスクについて
議論する機会(「コンプライアンス週間」)を設けました。
(3)下記2【運用状況の概要】 (1)のとおりであります。
(4)内部監査部門は、約60名を擁しており、コンプライアンスのほか、業務の有効性や効率性等につき、各部門及び子会社を監査し、
監査結果をCEO、CFOに報告のうえ、必要に応じて改善提言を行っております。また、社外取締役、監査役および監査役会にも監査結果の
概要を定期的に報告しております。
(5)社内イントラネットにおいて、内部通報窓口とともに内部通報者の不利益取扱いの禁止を含む内部通報制度の利用ルールを
周知しております。当期、重大な法令違反等に関わる内部通報案件はありませんでした。
2.リスクマネジメント体制(会社法施行規則第100条第1項第2号)
【基本方針の決議の内容】
(1)取締役会が定める「リスクマネジメント基本規程」に基づき、CEO直轄の審議体としてリスクマネジメント委員会を設ける。同委員会は、
キヤノングループが事業を遂行するに際して直面し得る重大なリスクの把握(法令違反、財務報告の誤り、品質問題、労働災害、自然災害等)
を含む、リスクマネジメント体制の整備に関する諸施策を立案し、CEOおよび取締役会の承認を得る。また、同委員会は、事業部門、
子会社等の各組織によるリスクマネジメント体制の自律的な整備・運用の状況を評価し、CEO及び取締役会に報告する。
(2)取締役会が定める「経営戦略会議規程」に基づき経営戦略会議を設け、取締役会付議に至らない案件(CEO決裁案件)であっても、
重要なものについては同会議において慎重に審議する。
【運用状況の概要】
(1)リスクマネジメント委員会には、財務報告の信頼性確保のための体制整備を担当する「財務リスク分科会」、企業倫理や主要法令の
遵守体制の整備を担当する「コンプライアンス分科会」、品質リスクや情報漏洩リスクその他の主要な事業リスクの管理体制の整備を
担当する「事業リスク分科会」の三分科会が設置されており、それぞれ、2022年度の各組織によるリスクマネジメント体制の整備・運用状況を
評価いたしました。その結果、重大な不備は認められず、同委員会はその旨をCEO及び取締役会に報告いたしました。
(2)当期、経営戦略会議を6回開催いたしました。業務執行を担う取締役等のほか、社外取締役及び常勤監査役も適宜出席し、
意見を述べております。
3.効率的な職務執行体制(会社法施行規則第100条第1項第3号)
【基本方針の決議の内容】
(1)CEO及び他の取締役等は、取締役会が定める分掌及び職務権限に関する規程に基づき、CEOの指揮監督の下、分担して職務を
執行する。
(2)CEOは、5カ年の経営目標を定めた「グローバル優良企業グループ構想」及び3カ年の重点施策等を定めた中期経営計画を策定し、
グループ一体となった経営を行う。
【運用状況の概要】
(1)CEO及び他の取締役等は、関連規程に基づき、分担して職務を執行しております。当社は、2021年、事業部門と開発・生産子会社を
「プリンティング」、「イメージング」、「メディカル」、「インダストリアル」の4つの産業別グループに再編成するとともに、材料やセンサー等の
コンポーネントの外販などの事業化を加速させるべく新たな組織を立ち上げました。CEO以外の代表取締役や執行役員がこれら
産業別グループや新組織、世界の各主要地域の販売を統括する販売子会社の責任者をそれぞれ務め、CEOの指揮監督下で分担して
事業活動を行う体制をとっております。
(2)CEOは、当社の取締役等及び国内外主要子会社の執行責任者との緊密な議論をふまえて中期経営計画を決定しており、グループ
経営としての一体性を確保しております。
4.グループ管理体制(会社法施行規則第100条第1項第5号)
【基本方針の決議の内容】
当社は、子会社に対し、次の各号を行うことを求めることにより、キヤノングループの内部統制システムを整備する。
a)当社取締役会が定める「グループ会社管理規程」に基づき、重要な意思決定について当社の事前承認を得ることまたは当社に対して報告を行
うこと。
b)「リスクマネジメント基本規程」に基づき、その事業の遂行に際して直面し得る重大なリスクを把握のうえ、これらのリスクに関するリスクマネジメ
ント体制の整備・運用状況を確認、評価し、当社に報告すること。
c)設立準拠法の下、適切な機関設計を行うとともに、執行責任者の権限や決裁手続の明確化を図ること。
d)「キヤノングループ行動規範」によるコンプライアンスの徹底の他、リスクマネジメント体制の一環として、日常の業務遂行において法令・定款の
違反を防止する業務フロー(チェック体制)及びコンプライアンス教育体制を整備すること。
e)内部通報制度を設けるとともに、内部通報者に対する不利な取扱いを禁止すること。
【運用状況の概要】
a)当社は、「グループ会社管理規程」に基づき、子会社から報告を受け、または事前承認を行いました。
b)上記2【基本方針の決議の内容】 (1)記載のリスクマネジメント体制の整備・運用状況の評価のため、評価対象となる子会社は、それぞれ対象
リスクにつき評価を実施いたしました。
c)各子会社は、適用を受ける法律等のほか、業容等に応じて機関設計や決裁の基準・手続を適宜見直しております。
d)各子会社は、リスクマネジメント体制の整備・運用の評価プロセス(上記2【運用状況の概要】①)においてコンプライアンス体制の点検を
実施したほか、必要に応じ、研修等を通じたコンプライアンス風土の醸成を図っております。
e)各子会社は、内部通報制度を整備し、通報者に対する不利な取扱いの禁止の徹底を図っております。
5.情報の保存及び管理体制(会社法施行規則第100条第1項第1号)
【基本方針の決議の内容】
取締役会議事録及びCEOその他の取締役等の職務の執行に係る決裁書等の情報は、法令ならびに「取締役会規則」及び関連する規程に基づ
き、各所管部門が適切に保存・管理し、取締役、監査役及び内部監査部門は、いつでもこれらを閲覧できることとする。
【運用状況の概要】
取締役、監査役及び内部監査部門は、必要に応じ、取締役会議事録、経営戦略会議議事録やCEO決裁書等の記録を閲覧しまたはその写しを入
手しております。
6.監査役監査体制(会社法施行規則第100条第3項)
【基本方針の決議の内容】
(1)監査役室を設置し、必要な員数の専任従業員を配置する。この監査役室は、取締役等の指揮命令から独立した組織とし、専任従業員の
人事異動には、監査役会の事前の同意を要することとする。
(2)監査役は、取締役会のみならず、経営戦略会議、リスクマネジメント委員会等の社内の重要な会議に出席し、取締役等による業務の
執行状況を把握する。
(3)人事、経理、法務等の本社管理部門は、監査役と会合を持ち、業務の執行状況につき適宜報告する。また、重大な法令違反等があった
ときは、関連部門が直ちに監査役に報告する。
(4)監査役は、会計監査人から定期報告を受ける。
(5)監査役は、国内子会社の監査役と定期的に会合を持ち、情報共有を通じてグループ一体となった監査体制の整備を図る。
また、監査役は、国内外の主要な子会社を分担して往査し、子会社の取締役等による業務の執行状況を把握する。
(6)当社は、監査役に報告した者に対する不利な取扱いを禁止するとともに、子会社にも不利な取扱いの禁止を求める。
(7)監査役会は、当社及び子会社に対する年間の監査計画とともに予算を立案し、当社は、必要となる予算を確保する。
臨時の監査等により予算外の支出を要するときは、その費用の償還に応じる。
【運用状況の概要】
(1)取締役等の指揮命令から独立した監査役室を設置し、必要な員数の専任従業員を配置しております。
(2)社外監査役を含め、監査役は、全ての取締役会に出席し、常勤監査役は全ての経営戦略会議及びリスクマネジメント委員会に
出席しております。
(3)監査役及び監査役会は、内部監査部門から、定期的にその監査結果の報告を受けております。また、常勤監査役は、本社管理部門の
責任者から、定期的に業務の執行状況の報告を受けております。
(4)監査役は、月1回以上、会計監査人から監査の状況について報告を受けるとともに、法令に基づく事業年度の監査結果についての
報告を受けております。
(5)監査役は、国内子会社の監査役と定期的に会合を持ち、情報交換を行っております。また、子会社の監査の際には、子会社取締役から
報告を受けるほか、子会社監査役と情報交換を行っております。
(6)当社及び子会社に対し、監査役への報告者に対する不利な取扱いの禁止を周知しております。
(7)当期、監査計画に従った監査を実施するに当たって予算が不足する事態は生じませんでした。
2.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
1.基本方針
当社は、当社及び当社グループ各社が市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした態度を貫き、反社会的勢
力との関係を遮断することを基本方針としております。
2.整備状況
(1)当社就業規則において、反社会的勢力との関係遮断についての規定を定め、従業員に対してその徹底を図っております。
(2)反社会的勢力対応のグループ統括部署を置き、各事業所、グループ会社担当部署との間で、反社会的勢力及びその対応に関する
情報を共有し、反社会的勢力との取引等の未然防止に努めております。
(3)反社会的勢力対応のグループ統括部署には、法律に基づき不当要求防止責任者を配置し、マニュアルに沿った要領で組織的な
対応整備を図っています。
(4)暴力団追放運動推進都民センター、所轄警察署、近隣企業及び弁護士等との連携体制を構築しております。
(5)賛助金の支払いについては、法律上、企業倫理上の観点から問題のないことをチェックするため、事前にこれを審査しております。
2.その他コーポレート・ガバナンス体制等に関する事項
コーポレート・ガバナンス体制の模式図及び適時開示体制の概要は以下のとおりです。